歩行補助杖は自立歩行時の姿勢安定のために用いられます。現在販売されている杖には複数の種類があり、それぞれ異なる特徴を持ちます。合わない杖を選ぶと思わぬ事故につながりかねないため、使用者に合った杖を使いましょう。
C字杖
握り部分がCの字の形をしている杖です。
利点
一般的な形の杖であり、短い時間で慣れることができます。
欠点
構造的に弱いため、強く体重をかけられません。
介護保険適用外です。
T字杖
握り部分がTの字の形をしている杖です。
利点
軽量です。
折り畳みタイプ・伸縮タイプもあります。
欠点
手に痛みがある人には不向きです。
介護保険適用外です。
オフセット型杖
より体重をかけられるよう、握り部分とフレーム部分を離した杖です。
利点
握り部分にフレーム部分が干渉しません。
欠点
サイズが大きくなりがちです。
比較的重さがあります。
多脚杖
杖の支え部分が複数に分かれている杖です。
利点
平らな場所で使いやすいです。
脚力が低下している方も使いやすいです。
背骨が湾曲している方も使いやすいです。
姿勢が安定しない方も使いやすいです。
欠点
段差がある場所は不向きです。
重量が重めです。
松葉杖
利点
下半身にかかる負担を軽減します。
欠点
使用時に腋にあてすぎると手がしびれることがあります。
エルボークラッチ杖(ロフストランドクラッチ杖)
上腕部に受けがついた、手で握りこんで使う杖です。手と上腕部で杖を保持します。
利点
握力が低下している方でも使いやすいです。
身体に麻痺がある方でも使いやすいです。
手に変形がある方でも使いやすいです。
プラットフォームクラッチ
台の上に前腕部を乗せ、手でグリップ部分を握り使用するタイプの杖です。
利点
肘関節をうまく伸ばせない方でも使いやすいです。
指関節・手関節に体重をかけられない方でも使いやすいです。
欠点
肩関節への負担が大きくなりがちです。
重量は多少重めです。
杖のサイズの選び方
①肩が上がったり前傾姿勢にならない、自然な姿勢で持てるものを選びましょう。
②腕を下ろして立った状態で、大転子(太ももの骨の腰骨側の片端)の位置にグリップがくるもの
③腕をおろしたときに尺骨茎状突起の位置に握り手がくるもの
④足の小指外側15cm、前側15cmの位置に杖先を置いたとき、肘関節が約30度屈曲するもの