福祉用具の腰掛便座とは、補高便座、昇降機能つき便座、ポータブルトイレなどを総称した呼び方です。人体に直接触れる品なので、購入品に限り介護保険適用対象になります(要介護2以上の方のみ)。
おもな機能
補高便座の代表的な機能として以下のものが挙げられます。
座面高さ調整
座面の高さを調節できます。車いすやベッドからの移乗が楽になります。
ひじ掛けのはねあげ・取り外し
ひじ掛け部分を上にはねあげたり、取り外したりできます。車いすやベッドからの移乗が楽になります。
ソフト便座
便座部分が柔らかい材質で作られています。長時間の使用でも痛みをおぼえにくくなります。
シャワー洗浄
便器からシャワーが出て洗浄を行います。自力でおしりをふきにくい方などにおすすめです。
脱臭
排泄時のにおいを吸引するなどして、においを抑えます。
ラップ処理
ポータブルトイレに見られる機能です。
排泄物をラップで包み密閉することで、防臭処理を行います。
座面の高さ・傾き
高さ
床から便座までの高さが使用者のひざ下と同じ状態が標準的な高さになります。ひざ下より短いと多少立ち上がりにくくなる半面、トイレに移乗しやすくなり、腹圧をかけやすくもなります。逆に、ひざ下より長ければ、立ち上がりやすくなる一方で、転倒の危険も生まれやすくなります。
傾き
一般的な便座は傾きが水平ですが、腰掛便座では前傾・後傾させた便座を使用することがあります。前傾させた便座は立ち上がりやすさが生まれ、尿が横からもれにくいという利点があります。一方で、後傾させた便座は前こぼれを発生させにくく、病状によっては楽な姿勢をとれるという利点があります。