長時間寝たり座ったりしたままだと床ずれができる可能性があるため、床ずれ防止用具を使用します。床ずれ防止用具とは介護ベッド用のマットレスと車いす用のクッションの総称です。
床ずれを防ぐためには
長時間同じ姿勢で寝るまたは座った状態だと、特定部分の血行が悪くなり皮膚が傷つきます。これが床ずれと呼ばれる負傷で、褥瘡(じょくそう)とも呼ばれます。床ずれを防ぐためには、体重を分散させ特定部分を圧迫しないようにします。
健康な方は寝返りを打つなど、自然と床ずれを防いでいます。しかし、体を自力でうまく動かせない方は床ずれになる危険性があります。そのため、床ずれ防止用具を使い床ずれになりにくい環境を作るほか、体位変換を行い床ずれを防ぐ場合があります。
材質
車いす用のクッションは
床ずれ防止用具は、材質から大きく以下の3種類に分かれます。
①エア方式
②ウォーター方式
③マットレス
①エア方式は空気をつめたもので、②ウォーター方式は水をつめたもの、③マットレスは空気や水以外の緩衝材で作られたものです。
選ぶときは柔らかさで
床ずれ防止用具を選ぶにあたっては、利用する方がどの程度床ずれになりやすいか考える必要があります。たとえば、体の自由が利かず体勢を変えられない方は、健康な方より床ずれになる危険性が高くなります。そのため、床ずれを防ぎやすい柔らかい用具を使うようになるでしょう。
柔らかさを選ぶときに参考となるものがOH(オーエイチ)スケールで、これは床ずれの発症リスクを定量化するための基準です。OHスケールでは計4問の項目に回答した点数を合計して、合計点が高ければ発症リスクが高いことを表しています。製品によってはOHスケールのどの程度に対応しているか明記してあり、選ぶ目安となります。
OHスケールの設問と採点基準(押すと開きます)
自力での体位変換(寝返り)が
できる…0点 / どちらでもない…1.5点 / できない…3点
仙骨部分の骨の飛び出し
なし…0点 / 軽・中程度…1.5点 / 高度…3点
むくみ
なし…0点 / あり…3点
関節が固くなり伸ばしにくい
なし…0点 / あり…1点
以上の点数を合計して、
0点…床ずれになりにくい
1~3点…少し床ずれになりやすい
4~6点…床ずれになりやすい
7~10点…かなり床ずれになりやすい